かものマラードさんご夫婦は、子育てにぴったりの場所を探して、ボストンの街を飛びまわっています。やっと見つけたのが川に浮かぶ小さな島。巣を作り、奥さんは卵を八つも生んで、とうとうかわいい子がもが生まれます!
名前はジャック カック ラック マック ナック ウァック パック クァック。さあ、奥さんは大忙し。泳ぎ方やもぐり方、一列に並んで歩くことを教えます。
街なかの公園へお引越しの日、子がもたちはお母さんに遅れまいと必死でついて歩き(走り)ますが、車がいっぱいで大渋滞に。そこへ登場したのは親切なおまわりさんたち。みごとな交通整理で、「さあ、おとおり」と、かもたちを守ります。
のびのびとしたセピア一色の絵本には、みどころが満載。ユーモラスな子ガモたちの百態は、作者がバスタブでカモを飼って描いたことで有名です。空から見下ろすボストンの景色も圧巻で、実在の公
園には、この母子ガモの像があるとか。子ガモの名前や、ぐぁっ! ぐぁっ! と鳴くにぎやかさに、子どもは大喜びします。
カモの生態も伝わってきますが、ひなが誕生した後、父さんガモは行方をくらまし? 子育てに参加しないようです!
田村 梓(新潟市の小学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、30年になりました。)