人が悲しみを背負ったときにどのようになるかを綴った絵本です。
悲しみは突然やってきて、人はなんとかそれをやり過ごそうとしますが、何もできずにこうなってしまうということが書いてあります。それを表現している、クェンティン・ブレイクの絵が秀逸です。
ロアルド・ダールの楽しいナンセンスな児童書に挿絵を寄せているイラストレーターという印象でしたが、このような表現ができるのだと感心させられました。
すごい力を持った絵本です。この絵本は、単純に「慰め」や「癒やし」になるというものではありません。人生経験を積み重ねた大人の方にお薦めしたいと思います。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)