キロコちゃんは、ダンスの時に使う緑色の靴を探していて、不思議な靴と出会います。それを履くと、まるでその靴が意思を持ったみたいに、自分が意図しない動きをしてしまうのです。そのうちに、キロコちゃんはその靴と息を合わせて上手に動くことを覚え、いろいろな人たちと出会って素敵な体験をするのです。筋運びのうまさはさすが、たかどのほうこ氏です。
また、この本には人物の魅力もあります。地区の文化教育委員のマルフクさん、外国の本屋さんでキロコちゃんと友達になったリリアンさん、思慮深いなかよしのピーコちゃんなど、個性豊かな人物が登場します。そして、何よりも明るく元気なキロコちゃんの様子が、たかどのほうこ氏自身による挿絵によく表されています。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)