昆虫を観察したことはありますか？　特別遠くへ行かなくても、身の回りのちょっとした自然の中には、様々な生き物が住んでいます。

この本は、テントウムシやカブトムシ、セミ、ハチ、バッタなど、私達の身近な昆虫を一種ずつとりあげ、見開きで紹介しています。左のページは、虫の全身が色鮮やかに繊細に描かれ、生き物の美しさを感じますし、一匹の虫だけをじっくりと観察できる贅沢なページです。また、右のページは、その虫についての興味深い説明が載っていますが、手書き文字なので親しみ易く、まるで戸田さんの絵日記をよんでいるようでワクワクします。

「図鑑でも昆虫のお勉強本でもない、昆虫とあそぶ絵本を作ってみました。」（作者あとがきより）とあるように、図鑑とは一味違う楽しみ方ができますし、デザイン的にも、表紙を含め全体を通して各ページの余白がとても美しく、大人でも手元に置いておきたくなるような、素敵な絵本です。

推薦者：田野辺 淳子（絵本の家「ゆきぼうし」副代表。「ゆきぼうし」のある守門村（現魚沼市）で子育てをするため、2001年に新潟市西区から家族で移住。以来、「ゆきぼうし」スタッフの活動を続ける。現在は、高校で書道講師として勤務。）