日本を代表する詩人谷川俊太郎さんが亡くなりました。詩集、翻訳、歌詞、物語など多方面にわたる数々の業績を残されたと思います。私も個人的に実にたくさんの作品について様々な方法で触れた経験がありますし、学生に聞いてみてもそれぞれ多彩な思い出があるようです。
今月は1冊谷川さんの本を選ぶことにし、最も幅広い年齢の方々に楽しんでいただけるであろう本書を選んでみました。瀬川康男さんのひょうひょうとした動物の絵が印象的な絵本の形をとっています。好評だったのでしょう、「ことばあそびうた また」という続編も出版されています。ことばあそびというのは、言葉が意味から解き放たれて、新しい世界に導いてくれるものと認識しています。改めて谷川さんの世界を味わいたいと思います。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)