ある一人の男性が自宅で亡くなっているのが新聞の集金人によって発見されました。その男性は不思議なことに、メジロの入った鳥籠を抱えるようにしていました。なぜその男性がそのような形で亡くなっていたのか、一気に物語に引き込まれます。小鳥が好きで、障害のある兄を懸命に支えながら、つつましく誠実に生きた男性の、静かでせつない物語です。

推薦者：足立幸子（新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。）