テディ・ロビンソンは大きくて抱き心地のいい、ぬいぐるみのくまです。持ち主の小さい女の子、デボラとは大のなかよしで、二人はどこへ行くのもいつも一緒。
ある日、デボラはテディ・ロビンソンを庭に置き忘れてしまいました。一晩を外で過ごすことになってしまったテディ・ロビンソンは、お腹の上に落ちてきたピンクの花びらを毛布がわりにして、星を見つめながら眠ってしまいます。朝、慌てて迎えに来たデボラに、テディ・ロビンソンはこう伝えます。「外で泊まるのはとっても素敵だった」と。
これを読んだ、当時子どもだった私は衝撃を受けました。たった一人で、しかも外で一晩を過ごすなんて!ほかにも、お祭りで回転木馬に乗ったり、大きなわたあめを食べたり、庭にテントを張って猛獣の番をしたり。テディ・ロビンソンの小さな冒険にすっかり夢中になって、何度も読み返したことを思い出します。
大人になった今でも、忘れられない1冊です。
推薦者: 中央図書館サービス1グループ 長谷川 明子