大人の本棚・こどもの本棚

マドレーヌといぬ

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「パリの、つたの からんだ ある ふるい やしきに、
12にんの おんなのこが、くらしていました。」(略)「いちばん おちびさんが、マドレーヌで、ねずみなんか こわくないし、ふゆが すきで、スキーも スケートも とくい、どうぶつえんの とらにも へいっちゃら。」寄宿学校で暮らすマドレーヌの絵本シリーズは、この名訳で始まります。

第2巻では、マドレーヌが朝の散歩中に橋の欄干を歩き、川へまっさかさま! あやうくおぼれるところを、大きな犬が飛びこんでマドレーヌを助けてくれます。みんなはその犬を連れて帰り、ジュヌビエーブと名づけて、かわいがっていました。ところが、学校検査にやってきた評議員に規則違反だと叱られ、ジュヌビエーブは追い出されてしまいます。先生とみんなは、街中を探しまわりますが…。

勇ましくて優しいマドレーヌに、子ども達はひきつけられます。予想を超えたラストシーンには、みんなびっくり!

シリーズには、花の都パリの名所がたくさん登場します。マドレーヌが上った橋はポン・ヌフ。落ちたのはセーヌ川。エッフェル塔やノートルダム大聖堂、偉人たちの名が刻まれた墓地なども。
巻末にガイドがあるので、夏のオリンピック・パラリンピックに合わせて、パリの街巡りをお楽しみください。

田村 梓(新潟市の小学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、30年になりました。)

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