中国に伝わる昔話をもとにした、トラが主人公の絵本です。
トラといえば、強く荒々しいイメージですが、表紙のトラは頼りなさそう…かたや、トラと向き合うように描かれているネコは得意そうな顔をしています。
ページをめくると、書き出しは「むかし むかし、とらと ねこは やまのなかで くらしていました。そのころ とらは、いまと ちがって とても のろまで、えものを とるのが へたでした。」と始まります。
狩りの下手なトラが、すばしこくて狩りの上手なネコに修行を申し込み、弟子入りします。速く走る方法や、音を立てずにしのびよる方法などをネコに習ったおかげで、獲物を上手に捕れるようになったトラの願いは…最後はあっと驚く展開です。
最終ページに【トラとネコの生態について】とあり、「ネコ科の動物のなかでトラだけが木にのぼらないという、動物の生態をよく知っている中国の人々が生み出した昔話です」という解説に納得します。
推薦者:有本 教子(新潟県立図書館司書。こども図書室担当。2女1男の母。)
さて、新潟県立図書館のホームページにBSNキッズプロジェクトの「大人の本棚・こどもの本棚」で紹介された本のリストが紹介されています。こちらもどうぞご利用ください。