エチオピアの昔話です。
村の12人の男たちが、粉を挽いてもらうために袋を背負い、町へ出かけます。
その帰り道、森にさしかかったところで、みんながついてきているのか不安に思ったひとりが人数を数えました。ところが、11人しかいないではありませんか!
2番目の男が数えても、3番目の男が数えても11人。あわてる仲間たち…。
でも、なぜかって、自分を数え忘れているのです。
そうとは気づかず、いなくなった仲間は「ヒョウにやられたにちがいない」ということになって、12人の想像がどんどん膨らんでいきます。武器も持たず、大きなヒョウと戦った仲間の強さや勇敢さを12人は口々に称えながら帰るのです。
村に着き、英雄のことを泣きながら村人に話していると、女の子がやってきて、男たちが背負ってきた袋の数を数えはじめます。
さて、続きはどうなったのでしょうか?
読んでいて、「あるある」と思ったり、「クスッ」と笑ったり。最後までユーモアたっぷりのお話です。ぜひ読んでみてください。
(1983年刊行のペンギン社版が新装版となって復刊されました。)
推薦者:有本 教子(新潟県立図書館司書。こども図書室担当。2女1男の母。)
新潟県立図書館のホームページにBSNキッズプロジェクトの「大人の本棚・こどもの本棚」で紹介された本のリストが紹介されています。こちらもどうぞご利用ください。