小さい頃、体育の授業で背の順で並ぶという整列がいやでした。
発育期なので、順番が変わることがありました。自分より前だった子が、いつの間にか背が伸びて後ろになったとき、なんだか、とても悔しかったことを思い出します。人それぞれの体の大小も伸び方も違って当たり前なのですが、子どものときは、それがコンプレックスとなることがあります。
この絵本は、小さく生まれた少年が、小さいことへのコンプレックスを、ろう人形館のナポレオンからアドバイスをもらって胸を張って歩き始めるお話です。
このナポレオンも歴史上、身長が低かったという説があり、その背の低いナポレオンが、絵柄に大きく見えるという点も非常に練られたお話です。
中山 英(萬松堂本店店長兼出版社島屋六平出版営業課長。1児(3歳娘)の父。育児と読書の日々を過ごしています。)