この本は『世界をカエル 10代からの羅針盤』シリーズの1冊で、ジャーナリストである著者が自らの体験をもとに、メディアリテラシーを身につけることの大切さについて書いています。
これまでの報道を具体的に取り上げ、メディアから発信される情報を多角的に、批判的に「読み取る力」と、たくさんの情報の中から目的に応じて情報を選び「活用する力」の重要さが、わかりやすく説明されています。
例えば「松本サリン事件」では、第一通報者をあたかも容疑者のように報道してしまったこと。例えば、湾岸戦争が本格化するきっかけともいわれ、イラクによる環境テロを世界中に印象付けた「原油まみれの水鳥」の写真は、情報操作の可能性が高いことなど、何が本当で、何がウソなのか…想像力を働かせ、情報を見極めることは、自分らしい生き方を考えることに繋がると説きます。
デジタルネイティブ世代の中高生の皆さんに読んでもらいたい一冊です。
推薦者:有本 教子(新潟県立図書館司書。こども図書室担当。2女1男の母。)
新潟県立図書館のホームページにBSNキッズプロジェクトの「大人の本棚・こどもの本棚」で紹介された本のリストが紹介されています。こちらもどうぞご利用ください。