ノンフィクション児童文学とは、私達の社会や身のまわりで起きた事柄、実在した人物のことを虚構や作り話ではなく事実に基づいて、子どもに読めるように描いた文学作品を指します。大人が思う以上に、子どもはノンフィクション児童文学を好みます。童話やファンタジーなどに比べて新しい分野ですが、これからますます発展をしていく可能性があります。
本書は、児童文学作家で研究者でもある著者が、ノンフィクション児童文学の歴史をひもとき、名作を解説したものです。また、著者自身がノンフィクション児童文学作品を執筆する際に、どのように題材を見つけどのように取材をしたかについても紹介してくれています。本書が出版された時に、私は「まさに望んでいたような本が出た」と思いました。先行きを見通せない時代だからこそ、子どもだけでなく大人にもノンフィクション児童文学が広く認知され読まれることを願っています。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部准教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)