踊りの大好きな“おどりトラ”は、狩りの最中に踊りだし、トラの仲間から追い出されてしまいます。それでも一生けんめい踊りのうでをみがき、ふしぎな力を身につけます。“おどりトラ”が踊ると、お米がたくさん実ったり、子どもの病気が治ったり、人々からは“神さまのお使い”といわれるようにな
ったのです。
久しぶりに山へ帰った“おどりトラ”は、仲間たちに歓迎され、ごちそうでお祝いをすることになります。大好物の人間を見つけ、みんなで木のてっぺんまで追いつめますが…。
修業があだとなり、“おどりトラ”が大失態を演じてしまう場面や、ページごとに変わる変顔? と、こっけいな踊りのポーズが、とにかく面白くて笑ってしまいます。トラたちが獲物の人間に迫っていく、縦に描かれた4枚の絵は、迫力満点です!
アジア・南米・アフリカなどの昔話を、その地の風土を伝える絵で描いた絵本「こどものとも世界昔ばなしの旅セット」15巻の1冊。たくさんのトラや、鮮やかな赤色から、韓国・朝鮮の土地柄が感じられます。
田村 梓(新潟市の小学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、30年になりました。)