絵本作家の林明子さんが、昨年デビュー50周年を迎えました。『はじめてのおつかい』『こんとあき』など、数々のロングセラー絵本は、図書館でも大人気です。我が家の定番は『おふろだいすき』。息子が幼かった頃、何度読んだか(読まされたか)分かりません。
おふろの大好きな“ぼく”は、いつもあひるのプッカを連れておふろに入ります。体を洗っていると湯船の中から、大きなかめが浮いてきて、その後次々と動物たちが登場。ペンギンのジムとジョン、岩のようなオットセイ、太ったかばに、くじら! なんともふしぎで楽しいおふろの時間です。
読むたびに見とれてしまうのが、オットセイの作る大きなシャボン玉。さまざまな色が溶け合って、つやつやして美しい! 豪快なくじらのシャワーも、浴びてみたくなります。子どもは「なんて楽しいおふろ!」と思うに決まっています。
林さんは姪御さんや甥御さんをモデルに子どもを描かれたそうで、“ぼく”の表情やポーズはとてもリアルで可愛らしいです。
ちなみに我が家のこの本には、小さな歯型がいくつもついています。「子どもは五感で絵本を味わう!」と納得させられる1冊です。
50周年限定復刊の科学絵本 『しゃぼんだま』(小林実 文/林明子 絵/福音館書店)には、しゃぼん玉遊びがいろいろのっていますよ。
田村 梓(新潟市の小学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、30年になりました。)