将来立派な女王になるために、7才の姫は今身に付けなければならないことがたくさん。朝から晩までやることばかりで、遊ぶ暇など全くありません。そんな生活が嫌になった姫は、名づけ親の妖精に、助けを求める手紙を書きました。妖精から遣わされたのは、何と大きなワニ。姫はワニと相談し、ワニが姫の身代わりとなって城に留まり、その間に姫は城外で思う存分遊ぶことにしたのです。
ここまではありがちなストーリーですが、このあとはくすっと笑いたくなるようなギャグ的な要素が盛り込まれています。ワニは変装するため姫のドレスを着ますが、まるでサイズが合いません。頭の形も違うので、かつらの代用として姫の髪色と同じモップの先をかぶります。しかし、お世話係に気づかれてしまい……もう城の中はドタバタ劇のような様相。一方城を抜け出した姫は、しっかり遊んで、かえって精神的な成長を遂げるのです。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)