まもなく暑い夏がやってきます。
プールがにぎわう季節の到来です。
かがくのとも傑作集として出版されたこの絵本は、「およぐ」という行為が「科学的」に説明されている印象を受けますが、読み進めていくと、初めて水に触れた時の緊張感やわくわくする気持ち、泳げるようになった時の嬉しい気持ちや、水の感触が「感覚的」に伝わってきます。
どうして泳げるのかな? それは体が水に浮くから。
どうして浮くのかな? 体の中にうきぶくろを持っているから。
プールにはいったら、たくさん空気を吸い込んで浮かんでみよう。
顔が水にぬれても平気になったら こんどは水のなかで息をはく練習だ。
というようにテンポよくストーリーが進み、泳げるようになるまでの過程が丁寧に描かれていて、読んだあとには、泳ぐことが苦手な子や、水がこわい子も泳げる気がしてくるのではないでしょうか。
泳ぐことが得意な子は、初めて泳いだ時の感覚がよみがえってくるでしょう。
臨場感あふれる力強い絵が、最後のページから裏表紙、そして表紙へとつながって、まるで動画のように「およぐ」イメージがわいてくる、夏にぴったりの絵本です。
推薦者:有本 教子(新潟県立図書館司書。2女1男の母。)
新潟県立図書館のホームページにBSNキッズプロジェクトの「大人の本棚・こどもの本棚」で紹介された本のリストが紹介されています。こちらもどうぞご利用ください。