大人の本棚・こどもの本棚

幼い子の詩集 パタポン①

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幼い子から大人まで楽しめる小さな詩集をご紹介します。日本を代表する詩人と、英米の詩人の作品50編を収めたアンソロジーです。

まど・みちおの「はるのさんぽ」に始まり、草野心平がヒグラシをよんだ「天の声」、美智子上皇后が少女時代に親しんだロバート・フロストの「牧場」(まきば)、三好達治の「こんこんこな雪ふる朝に」など、四季をうたった詩が並び、その合間に「いろはにこんぺいとう」や、川崎洋 絵の「へのへのもへじ」など、言葉遊びや絵かき歌が登場します。

リズミカルで歌うようにゆかいな谷川俊太郎の「かっぱ」や「おならうた」は、子どもと一緒に何度も口ずさんで楽しめます。
また美しく純粋な言葉でつづられた詩は、私たちを自然の中へ、遠い国の街角へと連れていってくれます。そこに広がる景色をながめ、出会った人々と対話するうちに、日々の緊張や不安で縮こまった心が解放され、澄んだ泉の水を飲んだようなすがすがしい気持ちになれると思います。

続編もあるので、皆さんもお子さんと一緒にお気に入りを見つけて、声に出して楽しんでください。ちなみに、あるクラスで「へのへのもへじ」を描いて見せたら、知っている子がいなかった!ことに驚きました!

田村 梓(新潟市立小学校の学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、29年目になりました。公共図書館などでも、子どもと本をつなぐ活動をしています。)

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