主人公の華美は、外資系食料品メーカーに事務職として勤める32歳のOLです。将来はFIREを目指し、生活費を切り詰めて貯金をし、長期投資・短期投資を行っています。計算高く、賢く生きようとしていて、タイパやコスパを気にするイマドキの若者だと言えます。
反対に、彼氏の直幸は、やや古風で、お金に換算できないものに大切に考えており、次第にオンラインコミュニティにのめり込んで行きます。そののめり込み方が看過できない状況であると判断した華美は、これまでに大切に貯めてきたお金に任せて、ある行動を起こします。
現代における人とお金の関係、人と人の関係について考えさせられる一冊です。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)