明代は,玩具会社の元社長で父である福太郎の「老害」に辟易していました。すぐに説教をしたがり,何度でも同じ昔の自慢話を繰り返すのです。福太郎は取引先にも老害をまき散らし,そのことが原因で,現社長である明代の夫が取ってきた契約も,取引先から白紙に戻されてしまいました。ずっと我慢をしていた明代は,福太郎に対してついに怒りを爆発させます。さすがに反省した福太郎は,年寄りが生き甲斐を持って生きていくための,ある計画を思いつきます。
少子高齢化やコロナ禍を背景にしながら,世代間の考え方の違いやそれぞれの生き方を,エンターテイメントとして描いた愉快な作品です。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)