魚屋の店先から魚を盗んだ飼いねこのルドルフは、追いかけてきた魚屋のおやじから逃げるためにトラックに飛び乗ったことから、大都会に来てしまいます。そこでのらねことして生きていくために、助けてくれたのはのらねこの先輩であるイッパイアッテナでした。
イッパイアッテナとは、のらねこであるため人々に様々に呼ばれていて、名前がいっぱいあるということなのです。そこで暮らす人々・犬・ねこなどとどのようにかかわったらよいのかをイッパイアッテナがルドルフに伝授しますが、登場人物の人物像がとてもよく表現されています。また、ストーリーがしっかり構成されており、時とともに変化するルドルフの心情も追いやすく、読みやすい作品です。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)