さっちゃんには先天性四肢欠損という障害があるために、右手の指がありません。しかし元気に幼稚園に通って、みんなと遊んでいます。ある日、さっちゃんは、ままごとあそびでお母さん役をやりたいと思いました。しかし、手のないお母さんは変だと友達に言われてしまいます。傷ついたさっちゃんは幼稚園を飛び出し、そのまま登園拒否になってしまいます。しかし、お母さん、お父さん、ほかの友達、担任の先生の働きかけもあり、明日は幼稚園に行こうと思うのでした。
お母さん、お父さん、担任の先生などさっちゃんの周辺の人たちの関わり方が、とてもよいと思います。幼い子どもたちにも障害の意味について理解してもらえるよう、よく考え抜かれ丁寧に作られた絵本だと思います。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)