読書には切っても切り離せない「索引」の歴史が描かれています。まず、アルファベット順という考え方、本にページ番号が振られるようになることなど、索引が誕生する前の話があります。
次に、索引が生まれてからも、それがなかなか定着しなかったことが、実に多様な実例をもとに語られます。一方で、フィクションに索引が付されるなど、今では廃れてしまった試みがあったことも記されています。
終わりの方には、現在の私達のインターネット検索やSNSのハッシュタグなどが索引的行為であることも述べられています。
最後に、圧巻の3種類の索引―索引家による索引、コンピュータによる自動生成索引、日本語版索引―が掲載されています。まさに、索引の奥深さを堪能できる本だと思います。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)