有名な『三びきのこぶた』のパロディ作品であるこのお話。元のお話では怖い存在だったオオカミがとても可愛らしく優しく、反対にのんびりしていて可愛かったこぶたはわるいおおブタに変わっており、衝撃的です。しかも、このおおブタがとんでもなく悪いやつなのです。オオカミがつくったレンガの家をハンマーで壊したり、コンクリートの家を電気ドリルで壊したり、何としても家の中へ入ろうとします。
家が頑丈になればなるほど過激な攻撃をするおおブタと、発想を換えることでおおブタを改心させたオオカミには、犯罪学者の作者ならでは視点が盛り込まれています。読めば楽しい、けれど少し考えさせられる作品です。
新潟市立中央図書館 サービス1グループ 鈴木 成美