フランスの昔話をもとに描かれたお話です。
むかし、へとへとではらぺこの3人の兵隊が、ある村にたどり着き、食べ物や寝床にありつけるかも…と期待をふくらませて村人たちに聞いてみました。ところが、どの家の村人も余分な食べ物やベッドはなんにも残っていないと言うばかり。実は、兵隊たちがやってくると知った村人たちは、事前にこっそり食べ物を隠してしまったのです。
そこで、3人の兵隊は相談します。そして、大きなお鍋で美味しい石のスープを作ることに! 村人たちは興味津々。果たして本当に石からスープができるのでしょうか?
小さなお子さんでも純粋にお話を楽しめますが、高学年以上のお子さんや大人の方が、よりこのお話の面白さを感じることができると思います。何と言っても、兵隊たちと村人たちの掛け合いがとても愉快です。してやったり(?)の兵隊たちでしょうが、最後はみんなが笑顔でなんだか幸せそう。
マーシャ・ブラウンのシンプルな色合いの絵も素敵な絵本です。
田野辺淳子(絵本の家「ゆきぼうし」スタッフ。2001年「ゆきぼうし」のある守門村(現魚沼市)に家族で移住。仕事をしながら「ゆきぼうし」スタッフの活動を続ける。)