大人の本棚・こどもの本棚

シンドバッドの冒険

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子ども時代にぜひ出会ってほしい本の一つに「アラビアン・ナイト」があります。美しく賢いシェヘラザード姫が、人を信じることができなくなった王のために千一夜語り続けた、とびきりの物語です。数々のお話はふしぎで魅惑的、おそろしさもあって、「アラジン」「アリババ」「シンドバッド」は特に有名です。

この絵本は、船乗りのシンドバッドが、7回の危険な航海の末に巨万の富を得るまでの大冒険を描いた、3冊シリーズです。上陸した島が“クジラの背中”で海に投げ出されたり、漂着した所が空をおおうほど巨大な“ロク鳥”の巣だったり、大蛇の群れがうごめく“ダイヤモンドの谷”に降り立ったりと、命からがらの冒険が続きます。どうやってこのピンチを切り抜けるのか、スリリングな展開にぐいぐい引きこまれていきます。

ペルシャ絨毯の枠模様に囲まれたエキゾチックな絵は、このお話の雰囲気にぴったりです。『シンドバッドと怪物の島』『シンドバッドのさいごの航海』も、続けてどうぞ。

 

「シンドバッドと怪物の島」ルドミラ・ゼーマン 文・絵 , 脇 明子 訳 岩波書店

 

「シンドバッドとさいごの航海」ルドミラ・ゼーマン 文・絵 , 脇 明子 訳 岩波書店

 

田村 梓(新潟市立小学校の学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、29年目になりました。公共図書館などでも、子どもと本をつなぐ活動をしています。)

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