新年度がスタートして、ひと月がたちます。入学、進級した子どもたちは、新しい環境ではりきっていますが、そろそろ疲れが出る頃。休日には、家族でのんびり過ごす時間をもちたいものです。
そんな時にぴったりの本書ですが、ただのしりとり絵本ではありません。始めのページから好きな絵を選んでページをめくり、15ある絵の中から、しりとりでつながるものを探します。これを最後のページまでくりかえし、「ん」で終わったら、おしまいです。私はなかなかラストまでたどり着けず、何度も戻ってチャレンジしました!
安野さんの最晩年の絵本は、やわらかな色合いの水彩画で、懐かしい日本の風物や、思わず笑ってしまうものも描かれています。
子どもたちには「自分で考えるくせをつけてほしい」、と願っていた安野さんの期待どおり、小さい子から年配の方まで、頭を使って一緒に楽しめる絵本です。
「なぞなぞ」(月刊誌こどものとも2021年3月号)も、おすすめです。
田村 梓(新潟市立小学校の学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、29年目になりました。公共図書館などでも、子どもと本をつなぐ活動をしています。)