広い森に住んでいる二ひきのうさぎは毎日、かけっこや うまとび、かくれんぼをして一日中楽しく遊んでいました。
でも時々、くろいうさぎは悲しそうな顔で考え込んでいます。心配になったしろいうさぎが理由を尋ねると、くろいうさぎは「いつまでも、君と一緒にいられますように、という願いごとをしている」と言うのです。
「大切な人といつまでも一緒にいたい」という真っ直ぐな気持ちのやりとりが優しい言葉で綴られていて、心にすっと入って響きます。挿絵はやわらかなタッチで、うさぎのふわふわした毛並みを思わず手で触れたくなります。黄色いたんぽぽの花も印象的です。
絵本の創作だけでなく、たくさんの外国絵本を翻訳し、子どもたちに届けてくれた松岡享子さん(東京子ども図書館名誉理事長)が最初に訳した絵本です。
二ひきのうさぎが楽しく遊んでいる様子が「ぴょん、ぴょんの ぴょーん」という言葉で表現されているページを読むと、松岡さんの楽しそうな笑顔が目に浮かんできます。
推薦者:有本 教子(新潟県立図書館司書。こども図書室担当。2女1男の母。)
新潟県立図書館のホームページにBSNキッズプロジェクトの「大人の本棚・こどもの本棚」で紹介された本のリストが紹介されています。こちらもどうぞご利用ください。