主人公でこの絵本の文を担当した女の子しおんは、左の手足に障害があります。本当はサッカーが大好きで、サッカーチームに入って皆と一緒にサッカーがしたいと思っていましたが、怪我すると危ないからなかなかサッカーをさせてもらえません。
そんなしおんは、お父さんが連れて行ってくれたサッカーの特別教室で、ミッチーというコーチに出会いました。ミッチーは、昔ガーナで様々な障害や状況の元でもそれぞれの形でサッカーを楽しんでいる子供たちの様子を見たことがありました。ミッチーはしおんと意気投合し、「スマイルサッカーきょうしつ」を作ります。そこでは、様々な特性を持った子供たちがそれぞれのペースでサッカーを楽しむことができます。ミッチーは子どもたちのことをとてもよく分かっており、それぞれがそれぞれの形でサッカーをすることができるのです。共生社会の在り方がとてもよく分かる絵本です。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)