言葉遊びのナンセンス詩の本です。
五十音の1つ1つをその頭音からなる言葉の積み重ねで,ある情景を浮かび上がらせています。例えば「ぬ」で言えば,「ぬけめのない/ぬすっとが/ぬのをぬすんで/ぬきあしさしあし/……」といった具合です。
一見誰でも書けそうですが,1つの音について見開き2ページ20行ほどの詩になっていて,これでもかこれでもかと繰り出される言葉は圧巻で,やはり語りの名手である松岡享子さんの作品だと思いました。
そして,ナンセンス絵本を数多く手がけてきた長新太さんの絵があり,それぞれの詩の最後に「それ ほんとう?」という突っ込みが入れられているのです。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部准教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)