大人の本棚・こどもの本棚

ターちゃんとペリカン

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毎年夏休みになると、ターちゃん一家は、海へキャンプに行きます。浜辺の杭の上には、今年も年とったペリカンがいました。

ターちゃんが「また きたんだよ」とあいさつすると、ペリカンは「ぐわぁー」と鳴いてこたえます。はじめて魚つりすることを話すと、ペリカンは海に飛びこんで、大きなくちばしで魚をすくい取って見せてくれます。やがて潮が満ちてきて、新しい長靴が波にさらわれてしまいました。でも、ターちゃんは運よく魚を採ることができ、長靴を探しながら砂山をのぼっていくと…。

この絵本を子どもに読むと、お話の世界に入りこんでいくのを感じます。大好きな動物と話したい、心を通わせたいという気持ちを満たしてくれるからだと思います。海辺の夕景色や、静かな波の音も心に残る一冊です。

田村 梓(新潟市立小学校の学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、29年目になりました。公共図書館などでも、子どもと本をつなぐ活動をしています。)

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