これは、身近な食べものから世界経済の成り立ちを学ぶための岩波ジュニア新書です。すなわち、資本主義経済の原理と歴史を、資本主義の誕生から、世界恐慌前後の米国、南北問題の欧米・発展途上国、1970年代までの日本、そして現在までのグローバリゼーションを中心に解説しています。穀物、砂糖、油脂、加工食品など、なぜ私達はこのような食事をし、このように生活しているのかということがよく分かります。
本書の長所の一つは、単に根拠としての文献の出典情報を示すだけでなく、どの文献にどのように書いてあったのかを詳しく紹介しているところです。それぞれの書影も掲載されていて、とても興味をそそられます。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)