かばの子ヒッポは、いつもお母さんといっしょ。初めてことばを教えてもらいますが、「グッ、グァオ、おんにちは！」「グッ　グァオ、あぶらい！」「グァオ　たっけて！」と、うまくいきません。

お母さんのそばでは、こわいものなしのヒッポですが、たった一人で出かけたとき、大きなワニにつかまって、水の中へ引きずりこまれそうになります。「グッ　グッ　グァオ！　たすけて！」と叫ぶと、お母さんがやってきて！

かわいいヒッポを守るお母さんは、強くたくましく迫力満点！　絵本を見ていた子どもから、「すごい！」と尊敬の声があがります。

アフリカの水辺の動物を描いた木版画は、ピンク、黄緑、藍色がとても美しく、アニメやＣＧを見慣れた現代っ子にぜひ見せたい絵本です。『三びきのやぎのがらがらどん』でおなじみの作者は、お話の雰囲気に合わせ、１冊ごとに絵の手法を変えたそうです。

田村 梓（新潟市立小学校の学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、29年目になりました。公共図書館などでも、子どもと本をつなぐ活動をしています。）