この絵本は、何と言っても表紙のインパクトの強さが抜群です。
おはなし会では、表紙を見せる前に、まず裏表紙の後姿を見せてから表紙へ返すと、あまりの迫力に思わず「わっ!」と声が聞こえてくることも。決してかわいいとは言えない(ごめんなさい!)けれど、トマトさんの存在感がすごい!この、表紙からはみ出すほどのトマトさんのアップに、子どもたちは釘付けになります。
暑い夏の日、泳ぎたくても体が重くて泳げないトマトさんを、小さな虫たちが協力して転がします。ついにごろごろと転がって「じゃっぷーん!」と川に入るシーンも迫力満点。
見返しも、真っ赤に熟れたトマトを連想させる色で、夏におすすめの一冊です。
推薦者:田野辺淳子(絵本の家「ゆきぼうし」副代表。「ゆきぼうし」のある守門村(現魚沼市)で子育てをするため、2001年に新潟市西区から家族で移住。以来、「ゆきぼうし」スタッフの活動を続ける。現在は、高校で書道講師として勤務。)