買い物が大好きなまたやさんは、ある日市場でとても大きなサンマの開きを見つけました。喜んで買って帰ると、待っていた友達も、みんなも大喜びです。ところが、サンマは突然逃げ出して……。
まず、表紙のサンマの開きの大きさが目を引きます。またやさんの10倍はあるという大きさです。途中でサンマが逃げ出すなどありえない設定もあって、予想はことごとく裏切られます。お笑いを見る時のように笑ってしまう、とにかく面白いナンセンス絵本です。絵はとても大胆なタッチですが、実は市場やまたやさんの自宅に集う人々の行動や表情が細かく描き分けられており、何度見ても新しい発見があって、何度も読んでしまいます。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部准教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)