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月へ アポロ11号のはるかなる旅

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1969年、アメリカの宇宙船アポロ11号が、人類史上初の月面着陸に成功したことを描いた、ノンフィクション絵本です。

3人の宇宙飛行士が宇宙船に乗りこみ、轟音をたてて発射されたロケットは、打ち上げ用ロケットを切り離しながら、宇宙空間へ。その後の展開は、まさに驚きの連続です。先端に設置された小さな司令船コロンビアは、切り離されて反回転し、着陸船イーグルとドッキング! 月に近づくと再び船は分かれ、ついにイーグルが月面に降り立ちます! 「これは(一人の)人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな跳躍だ。」 船長の有名な言葉です。

人間の技術力に圧倒されるだけでなく、絵もすばらしいです。精密に描かれた宇宙船や、漆黒の宇宙に浮かぶ地球の美しさを見ていると、自分も月に立っているかのような、静かで厳かな気持ちになります。

見返しには、ロケットの全体図と着陸・帰還の仕組み、ソ連との宇宙開発競争からアポロ計画がスタートした経緯について、詳しい解説も。

現在アメリカを中心に進行中の「アルテミス計画」には、日本も参加するとのこと。再び、月への大きな夢がふくらみます。

田村 梓(新潟市の小学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、30年になりました。)

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