大人の本棚・こどもの本棚

ツバキ文具店

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主人公の雨宮鳩子は、鎌倉市の文具店で文具の商売をする傍ら、手紙の代筆をするという代書屋の仕事も行っています。そこに様々な問題を抱えた個性豊かな人々が訪れ、問題を解決するために手紙の代筆を依頼します。

鳩子は、依頼主の心に寄り添い、どのような内容の文章をどのような文体で、どのような紙で、どのような筆記具を用いればよいかを考え、手紙をしたためるのです。

私達の生活の中で、手書きの文字を書く機会は少なくなってきていますが、この物語に出てくる手紙文化の豊かさに改めて驚かされます。

紙や文具などの様々な物が、人と人の心をつなぐ助けになっていることの心地よさ、美しさを感じました。

推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部准教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)

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