大人の本棚・こどもの本棚

うえをむいてあるこう

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今回紹介する絵本は「伝記絵本」です。

伝記絵本とは偉人の生い立ちや功績を絵本で綴った作品です。「偉人」を辞書で引くと〈偉大な人・すぐれた人・大人物〉(広辞苑 岩波書店)と載っています。もう少し分かりやすく言うとするなら、歴史に名前を残すようなすごい仕事をした人・多くの人から尊敬される人とでも言い換えることができるかと思います。学校図書館などにはこのような人物について書かれた伝記というジャンルの本があり、皆さんも読んだことがあるのではないでしょうか?

こちらの伝記絵本の主人公の偉人は、新潟がうんだプロレスラー ジャイアント馬場さんです。

この絵本は馬場さんの子どもの頃から体格が豊かだった故の悩みやその体格を活かして突き進む姿が描かれています。プロ野球選手として活躍することを夢見て進むも挫折…それでも次の道へ進み、努力していく姿には胸を打たれます。プロレスの世界へ飛び込み、そこでも外国人選手に太刀打ちできない葛藤。それを克服するために日本を出ての修行と努力の日々。帰国後は日本のプロレス界の基礎を作るため、最後の最後まで戦い続けた馬場さん。そんな生涯を多くの新潟の人に読んでもらいたいです。諦めない心と上を向いて歩こうとし続けた勇気は今を生きる私たちにも大事なことだと思います。

読みどころのひとつに、スピード感のある作画をあげておきます。努力の日々やアメリカのプロレスへの武者修行の様子など、それらの場面からは会場の応援の声が聞こえてくるかのようです。

文章を手がけた くすのきしげのりさんは『おこだでませんように』(小学館)などを書かれた方です。今まで読んでことのあるくすのき作品の絵本のイメージとはひと味もふた味も違う今回の伝記絵本をぜひ読んでみてください。

表紙を開くと実物大のリングシューズの足型、巻末には写真で綴るジャイアント馬場の歴史も載っています。必殺技だった「16文キック」のすごさを絵本から体感してみてくださいね。

3月のこの時期は旅立ちの季節です。新しい世界へ進む人へもこの絵本を贈ります。困難な状況になった時にこの絵本を読み返し、少しだけでも上を向いて、諦めないで頑張ってみてくれたら嬉しいです。

推薦者:朝日 仁美(絵本でSDGs推進協会 代表理事 JPIC読書アドバイザー/絵本専門士 長年地域で乳幼児親子を対象におはなし会を主宰。現在は学校司書をしながら、絵本でSDGsを普及する会を立ち上げ活動中。)

絵本でSDGs推進協会 https://ehonsdgs.amebaownd.com/

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