ひろいうみにうかんで、うみがめのおじいさんはゆらりゆらり。なみにゆられていると、たくさんの思い出がなみのあいだからあらわれてきます。どれもおじいさんのたいせつな思い出です。うみにうかんでいると、たくさんの思い出といっしょにこころもからだもうみにとけていきます。ここがどこなのか。いまがいつなのか。じぶんがなんなのか。おじいさんにとってはどうでもいいことです。
この本を読んでいると、こちらまでうみにうかんでゆられている気分になります。
日々の忙しさやいやなことも、どうでもいいことに思えてきます。
子どもだけでなく大人の方にも読んでもらいたい、とっても心いやされる一冊です。
新潟市立亀田図書館 司書 松井祐子