大人の本棚・こどもの本棚

海べのあさ

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シンプルな表紙のためか、なかなか手に取ってもらえない絵本ですが、ページをめくると、アメリカ・メイン州の海ベを舞台に、映画のワンシーンのようなドラマが始まります。

ある朝サリーは、歯が1本抜けかかっていることに気がつきます。お母さんに「大きな子になったという しるしなのよ。」枕の下に歯を入れてお願いをするとかなう、と言われます。うれしくなったサリーは、海鳥やアザラシにまで歯を見せてまわり、ハマグリを採っているお父さんに報告するのですが…。

サリーのはじけるような喜びと、娘の成長を温かく見守る父母や町の大人たちを、大きな紙面に紺一色でのびやかに描いています。風や波の音、潮の香りまで感じられ、「こんなふうに暮らしてみたい」と思う憧れの1冊です。

推薦者:田村 梓(新潟市立小学校の学校司書。子どもたちと一緒に、本や昔話を楽しんで、28年目になりました。公共図書館や幼稚園でも、子どもと本をつなぐ活動をしています。)

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