本書は大きく二つの部分に分けられます。
前半は書名の主題のとおり、「若者の読書離れ」がいかに事実と異なるのかを、統計をもとに論じています。私は読書指導を研究していて、同じことをずっと感じてきていたので、新書でこのことをしっかりと述べてくれていて嬉しく思います。
後半は、副題のとおり、中高生がどのような本を読んでいるのか、具体的に、その本のタイプやレーベル、内容などを述べたものです。こちらに著者の真骨頂があるように思います。
その上、10代の読書はこれからどうなるのかを展望しています。若者の読書ニーズをしっかりととらえることが、何よりも重要であることに気づかされます。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)