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私は赤ちゃん

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「育児百科」(岩波書店)の著者・松田道雄先生は、すでに亡くなられておりますが、ご存命のときは、小児科医であり、診療のかたわら、思想家(主にロシア思想)として評論活動もされておられました。貝原益軒「養生訓」、トロツキーの「レーニン」の翻訳なども手掛けています。

そんな松田先生の「育児百科」をバイブルとして子育てをした身としては、本書が、育児書の原型ともいわれる、育児エッセイとして非常に面白い読み物であることを知りました。本人の経験から生まれた事例など、医師というよりは、初めて子育てする父母の気持ちに寄り添ったケーズスタディとして、読んでいて不安が解消されるような本です。

松田先生の本は、子育てから手が離れたとしても、ずっと読んでいきたい本です。

中山 英(萬松堂本店店長兼出版社島屋六平出版営業課長。1児(3歳娘)の父。育児と読書の日々を過ごしています。)

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