新潟ゆかりの作家・半藤一利さんが先日、亡くなられました。半藤さんは、月刊文芸春秋の編集長などを歴任し、作家との交流やジャーナリストとして多くの著作を残されました。代表作「ノモンハンの夏」「昭和史」をはじめ、長岡中出身とあって「山本五十六」など、新潟の郷土関連の作品も残されました。
そして、唯一といっていい、少年時代の戦争体験を綴った児童向けの絵本があります。戦争に突入するという、まさにその当時の生活や時代が伝わる作品です。戦争中の世間の空気や家庭での大人たちの会話など、戦争体験者の貴重な語りは、塚本やすし氏の絵とともに、戦後復興の日本人の力強さを伝えています。
戦争を問い続けた作家が後世に残した絵本をいつまでも読み継いでいきたい。
中山 英(萬松堂本店店長兼出版社島屋六平出版営業課長。1児の父。毎晩、絵本を読み聞かせるのが日課。)