町中を忙しそうに飛び回るツバメの姿を見かけます。風の爽やかな季節、バードウォッチングを楽しんでみませんか。
この図鑑は、235種の鳥を「庭や公園」「草原」「山や林」「川や沼」「海」と、生息場所に分けて紹介しています。かつては「日本の野鳥」シリーズ全6巻として親しまれていましたが、厚みのある1冊に合本されました。
鳥の特徴はもちろん、すみかやエサ、習性など、自然の中の姿が一枚の絵の中に大きく描かれていて分かりやすいです。例えばヒバリのページは、頭に冠のような羽のある親鳥が、イモムシをくわえて立っていて、草むらの巣の中ではヒナたちが大きな口を開けています。上には空高く飛ぶもう一羽の姿も。動物画家の第一人者である薮内さんの絵は、正確で温かみがあり、羽の美しい色合いや動きも伝わってきます。
知らない鳥に出会ったら、特徴を観察して調べてみると面白いですよ。名前がわかると、鳥が一層かわいく思えてきます。
推薦者:田村 梓(新潟市立小学校の学校司書。子どもたちと一緒に、本や昔話を楽しんで、28年目になりました。公共図書館や幼稚園でも、子どもと本をつなぐ活動をしています。)