大人の本棚・こどもの本棚

ゆらゆらばしのうえで

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何日も激しい雨が降り続いて傷んだ橋は、一本の丸太だけになっていました。

兎と兎を追いかけてきた狐がこの橋に乗ったとたん、雨で緩んだ土手の石が崩れ落ちました。土手からの支えがなくなったために、危ういバランスだけで川の上に立つ、まるでシーソーのような「ゆらゆらばし」になってしまったのです。

橋の上で、狐と兎のにらみあいが続きました。夕方になり、夜になり、朝になって、二匹が取った行動とは・・・・・・。

縦長で開くと正方形に近い形になる、少し判型の変わった絵本です。絵が明るく楽しいのも大きな特徴です。以前、日本語が読めないアメリカの児童文学研究者の方と一緒にこの絵本を見る機会があったのですが、どうやら絵だけで十分ストーリーが分かるらしく、その方はにこにこして絵を眺めながらページをめくっていき、最後にThis is a good book! とおっしゃっていました。

推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部准教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)

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