ズッコケ三人組は、小学校6年生の少年ハチベエ、ハカセ、モーちゃんが、様々な事件を引き起こしながら楽しく学校生活を送っている様子を描いた人気シリーズで、1978年から続いています。2005年からは、少年3人が40代になったという設定で、ズッコケ中年三人組シリーズが書かれました。2015年に出版された本書は、その中年シリーズの最終巻にあります。
私は、最初中年三人組シリーズを読んだときに、躍動感あふれる少年3人が、こんなに覇気のない中年になってしまったのかと残念でした。しかし、この最終巻には、広島の水害など現代的・現実的な設定も盛り込まれ、しっかりと考えさせてくれる大人のための本になっていると思います。
推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部准教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)