女の子の誕生を祝って、お母さんが手作りしたろうそく。そのろうそくは、女の子や家族をやわらかく、あたたかな灯で包む。やがて女の子は成長し、辛い時、迷う時、悩む時にそっと心に寄り添う灯りにもなった。更に時が経ち、女の子の新しい家族を照らすようになり、ろうそくは段々と小さくなっていった。ろうそくの灯りが女の子の一生にずっと寄り添い、人間の命もろうそくの命も小さくなっていく。鉛筆と色鉛筆で描かれた、細く柔らかな描写が静かに進んでいく時間と合わさり、何度も読みたくなる。
推薦者:大平光代(絵本の家「ゆきぼうし」(魚沼市)代表。絵本専門士の資格を持つ。10年間子育て専業主婦をし、現在は保育園、こども園勤務の保育教師。大阪府出身)