大人の本棚・こどもの本棚

100年後の水を守る ―水ジャーナリストの20年―

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水問題は、人間の営みの問題です。多様な状況におかれている多様な人たちが、どのような水に対する活動を行っているのかが、そのまま反映されて問題となっているのです。著者はこの水をめぐる人間の営みを、様々な角度から描き出しています。

冒頭は幼い頃の父との思い出、そして、水に関心を持つようになったきっかけ、各国での取材、日本の小学校で「水の授業」を行うにあたって工夫したこと、中国で節水リーダーを育てる取り組み、また、日本の複数の市で水のルールを作ろうとしていること、さらには、水を大切にする具体的なアクションを述べています。著者自身がどのような取材をし、どのような人とめぐり会い、その都度、何をどのように考えて活動してきたか、等身大の言葉で書き綴っているところに本書の魅力があると思います。

推薦者:足立幸子(新潟大学教育学部教授。新潟アニマシオン研究会顧問。専門は国語科教育学・読書指導論。学校や家で子どもが読書をするための方法や環境について研究している。)

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