大人の本棚・こどもの本棚

月の満ちかけ絵本

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お月見の季節ですね☺ 電灯のなかった昔、形を変えて夜空に輝く月は今よりも神秘的で、人はさまざまな名前をつけて愛でていたようです。本書は14の月の名と昔の人の考えや習わし、満ち欠けのしくみを、やさしく解説した絵本です。

“新月”(見えない月)を1日目として、3日目の月が“三日月”。
夕方西の空に見えるこの月に望みをたくすと、やがて満ちて望みがかなうと信じられていたとか。
7日目の“上弦の月”は、日没に真南に浮かぶ右半分の月。夜中に沈むとき、舟が浮かんだように見えるため、七夕には織姫がこの舟で天の川を渡るといわれていたそうです。
15日目の満月には逸話がたくさん。その後は少しずつ欠けて、昇る時間が遅くなり、立って待つ“立待月”、寝て待つ“寝待月”と名付けられました。風情がありますね。

各ページに、太陽と月と地球の位置を示す科学的な図が付いていて、なぜその形に見えるかも分かります。後半には、日食や月食のしくみ、世界の人が見ている月の模様、2025年までの満ち欠けカレンダーも載っています。(2018年版)
今月は29日が満月で、中秋の名月。夜空を見上げてみませんか。

田村 梓(新潟市の小学校司書。子どもたちと一緒に本や昔話を楽しんで、30年になりました。)

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