2024年度が始まり1ヶ月…。新しい環境での生活に慣れ始めた頃ではないでしょうか?
慣れてきたところで、子どもも大人も新年度の緊張と大型連休の疲れ、そして今年は寒暖差と体調を崩している方がいないかと心配な時期でもあります。どうか無理をなさらないように・・・
新しい生活が始まったこの時期こそ、改めてSDGsを考える時にぴったりだと私は思います。
そこで今回はこちらの絵本から紹介します。
『もったいないばあさんのおばあちゃん』
(真珠まりこ 作 講談社)
「もったいな〜い、もったいな〜い、もったいないことしてないかい?」と言って、子どもたちの生活の中で勿体無いことをしていると、どこからかやって来て、いろいろなことを教えてくれた絵本『もったいないばあさん』。
初版から今年が20年目となり、シリーズ化や映像化もされ、世界中で有名なばあさんになっています。
そのもったいないばあさんがどうして「もったいない」をこんなにも伝えるようになったのかが分かる絵本が出版されました。
お話はもったいないばあさんの子どもの頃にさかのぼり、ばあさんの大好きだったおばあちゃんのから聞いた話をこの絵本では教えてくれます。おばあちゃんは、自然に感謝、周りの人に感謝しながら丹精込めてお米づくりをしています。そして一粒一粒にも感謝し、大事に頂く姿をもったいないばあさんは見て育ったようです。
私たちの住む新潟でも美味しいお米を作っています。
きっとばあさんのおばあちゃんのように自然と共生し、感謝しながら暮らしてきた歴史があるのではないかと思います。
この絵本を読むと「もったいない」という言葉の意味を再確認できる気がします。ちょうど田植えの時期です。今この絵本を読んで、秋の稲刈りまで近くの田んぼを観察するのも新潟ならではの親子の時間になると思います。
お米の次は野菜の本を紹介します。
『やさいはいきている そだててみよう やさいのきれはし』
(藤田智 監修 岩間史朗 写真 ひさかたチャイルド)
皆さん いろいろな料理の材料として野菜を使いますよね。できるだけ無駄なく食べたとしても、どうしても食材として使えない部分が出てきてしまいます。そんな切れ端が主役の写真絵本です。
人参の切れ端を水を入れたお皿に置いたら…5日目に葉っぱのようなものが出てきて、その後もどんどん伸びていく様子が観察できます。
人参は生きていて、このゴミにしてしまう部分も生きていることを教えてくれます。キャベツの芯や大根の切れ端も!と普段食べている野菜は生きものであり、その恵みを分けてもらっていることに気付かされます。
こちらを読むとできるだけゴミにしないように、たまには本のように捨てずに育ててみようと思うのでした。
ぜひ人参の栽培からやってみてください。日に日に育つ姿を観察することで、そこからもたくさんの学びがあるかと思います。
最後に大切に使ったものが出てくる絵本です。
『メロディ だいすきなわたしのピアノ (新版)』
(くすのきしげのり 作 佐竹美保 絵
ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス出版部)
子どもの頃ピアノを習っていた人や我が子が習っていた人ならば、きっと共感する部分が多いお話だと思いました。私もそのひとりです。我が家にピアノが来た日のことや子どもの最後の発表会のことなど、子育て中の大切な思い出となっています。
この絵本はピアノとそれを準備した家族、そして弾き手のつながりを描いた作品です。弾き手の成長と共に変化する生活環境やその後のピアノの行方・・・ぜひ読んで頂きたいです。
ピアノだけでなく、あなたにとっての大切なものとの向き合い方を考える良い作品だと思います。
この本は2012年に出版された絵本の新版で今回の絵は『魔女の宅急便』の挿絵を描かれた方になりました。
そして英語でも読めるようになっています。また音楽記号が記されている部分があるので、ぜひその部分に気づいて読んでみてほしいです。
今回はもったいないをテーマに絵本を紹介しました。SDGsの達成のために、今できること、それがどんなに小さなことだったとしても行動することが大事だと思います。
無理なく、できることからです。絵本を読み楽しみながら、できることを探してみてください。
* BSNラジオ 土曜日午前10時「立石勇生 SUNNY SIDE」の オープニングナンバーの後に「はぐくむコラム」をお伝えしています。5月11日は、絵本でSDGs推進協会代表の朝日仁美さんです。お楽しみに!